コーラ白書
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スパイスの誘惑

オランダ5日目。翌日のフライトの関係で最終日はアムステルダムに宿を取った。

前日から天気が崩れ、この日のアムステルダムは湿った雪だった。新調したコートが雪にまみれるのを恨めしく思いながら、早足で駅の近くのホテルに到着。レセプションもこの天気には少し驚いているという。

部屋に荷物を置き、フロントで傘を借りて雪のアムステルダムへと繰り出す。事前のリサーチによると、観光地で有名なダム広場の周りにスーパーマーケットがありそうだ。早速トラムの24時間パスを購入し、5号線に乗ってダム広場前で下車する。

王宮の裏手のビルの1階に、スーパーマーケット「Albert Heijin」があった。オランダ最大手チェーンとあって、プライベートブランドの充実が目を引く。食料品からリカー・デリカ、そして場所がらオランダのお土産まで扱っている。オランダでは珍しく夜10時まで営業しているのも嬉しいところ。

この店舗の特筆すべきはアルコール飲料の品ぞろえで、特に若者に需要の高いRTDを数多く揃えている。そしてその約半分がコーラ系という大変喜ばしい状況なのだ。Bacardiや JDなどコーラと相性のよさそうなブランドがすべてRTDを揃えているような充実っぷりだ。RTDの市場はアメリカよりニュージーランドに近い印象を受けた。

これはとても全部持って帰れない。しかたなく品定めをしていると、いくつかの商品のSPICEという言葉が目に留まった。Bacardi OrkheartやCaptain Morgan Spiced Gold, Wiliam Lawson's super spicedなど、スパイスド・ラムを使ったRTDコーラがあるのだ。

スパイスド・ラムといえばシナモンやナツメグなどのスパイスで香りづけをしたラム酒で、世界的にブームになっていると聞いたことがある。コーラのフレーバーにもスパイスが使われていると言われており、その相性が悪い筈がない。オランダには粋なRTDがあるものだと感心させられた。

早起きは三文の得

オランダ最終日。朝6時に起床し、昨日の戦利品たちを荷物に詰める。万が一輸送中に破裂したときに被害が甚大なので、ここは手を抜かずしっかりと袋で密閉することが重要なのだ。

飛行機の出発まで少し時間があるので、最近改修を終えたアムステルダム国立美術館に行ってみることにした。

ホテルの近くのカフェで軽い朝食を取り、再び駅へと向かう。雪は止み、朝焼けがアムステルダム中央駅を幻想的に照らしていた。

トラムは美しい街並みといくつかの運河を越えて、Hobbemastr.駅に着いた。開館前にもかかわらず既にエントランスには長い列ができている。売店もまだ準備中だったが、中の兄ちゃんにチケットを求めるとすぐに準備してくれた。

9時に少し遅れてエントランスが開く。多くの人はまだチケットを買っていないようで、今度は中のチケットカウンターに長蛇の列ができている。既にチケットを持っていた私は列を横目にゲートを抜けて3階に向かう。

3階中央にある「名誉の間」と名付けられた高天井の部屋には、オランダを代表する多くの巨匠の傑作が並ぶ。私が一番乗りだったようだ。警備員以外だれもいない静謐な空間でフェルメールやレンブラントの作品を独り占めできたのは、素晴らしい体験だった。

 

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